子供のペースに合わすうちに

子供を産む前までは、トイレに行くたびに粧直しをする余裕もあったのですが、子供を産んで、子供連れで出かけたりするとどうしても自分の顔にかまっている時間がありません。一応化粧ポーチは持ち歩いているものの、子供のペースに合わせなければならないので、自分の顔を鏡で確認するような時間もないんですよね。

 

デパートに行っても、トイレを済ませて、こちらが手を洗っている間にも、もう子供は待ちきれず売り場の方へ走って行ってしまいますから。そのまま迷子になったら・・・と思い、結局慌てて追いかける始末です。

 

その日は、久々に学生時代の友人数人とその子供たちで集まっていました。熱い夏の日で、子供たちを公園で思いきり遊ばせ、私たちはおしゃべりに花を咲かせていたんです。

 

暑い日差しの中、日焼けも気になったけれど、一番気になっていたのは、汗による化粧崩れでした。ファンデーションは落ちてくるし、汗は毛穴から吹きだしてくるし、一度ティッシュオフしてからファンデーションを塗れたら、と思っていたけれど、子供たちがはしゃいでいるので、なかなかそんな時間も取れませんでした。

 

そして、ランチして、口元のリップすらも消え去り、ほぼノーメイク状態になっていたと思います。

 

ノーメイクになると私はとてもさみしい顔立ちになってしまうので、アイラインやマスカラではっきりさせていたのに、これでは台無しです。でも、まだ仲良しの友人たちだったし、化粧崩れが起きているのは、自分だけではなかったので、安心していました。

 

そんな時、ある一人の友人が、「記念写真を撮ろう」と言い出したのです。

 

ノーメイクでもしっかり美人な友達です。焦ったのは、私。その友人の旦那さんは、実は私の初恋の人だったからです。写真を撮れば、「皆で撮ったよ」ときっと見せるでしょう。そして、老けた上にノーメイク状態になった私を見つけるのでしょう。

 

見つけたところで、今更何とも思わないのでしょうが。私自身も主人がいるし、いいと言えばいいけれど、過去の思い出は出来ればキレイなまま残しておきたいものです。

 

歳を取って酷くなったなと思われるのは嫌だったんです。だからなんとかトイレに立とうと思ったのに、鏡で確認する暇もなく、カメラを近くにいる人に渡してしまっていた友達。

 

結局そのまま化粧崩れしたひどい姿を写真として残すハメになってしまいました。後からその写真も送られてきたけれど、改めて見ても残念な姿でした。今度は子供を縛り付けてでも、トイレの時に化粧直しをしようと心に決めたのでした。